華耶がいた。男に絡まれて震えている。




泣き続ける華耶を抱き締めた。




華耶は一人なんかじゃない。




アイちゃんと俺がいるだろ。



この日俺は華耶の家族になろうと決めた。




この先華耶が辛くなった時、又おまえを抱き締める為に、俺は華耶の兄貴になるよ。




俺は華耶の兄なる。




華耶の側にいておまえを守る。




華耶が好きな気持ちを、今日から封印しよう。




俺はずっと華耶の兄でいると決めた。




華耶を愛してくれる男が現れまで、



可愛い寝顔の華耶の頬にキスを落とした。




「う、う〜ん、薫君?」




『華耶風邪ひくからベットに寝な。』




「は〜い。じゃベットにつれてって。」




華耶はふらつく足で立ち上がり、俺の首に腕を回す。



『了解。』




俺の心臓の音が、どうか華耶に聞こえませんように。