わたしは孝之を抱き上げる

『スースー…』
寝息をたてている

ほっ…生きていた……良かった……
全身傷だらけで無事とは言い難いけど、とにかく生きていた

わたしは涙がにじんできた…

『ん…ん……ん?おはよ』
孝之が目を覚ます

「も~!馬鹿~!!」
と、言いながらわたしは孝之を降ろす

《よんだか?》
ねこちが孝之からひょっこり出て来る

!!
「ねこち!あなたどっから出てくるのよ!」

《あ、おいらを呼んだのじゃ無いんや、バカっておいらの新しい名前かと思った》
それは名前じゃないわよ……馬鹿猫…

『何でいきなり馬鹿…あれ?はるかチャン泣いてるのか?』
孝之がわたしの顔を見つめ聞いてくる

「ちっ、違うわよ!ほ…ほら!この水道管の水よ!」

『ふ~ん…』
孝之はニヤニャして答える

あ~バレバレか…
目、きっと赤くなってるもん…