なんであのとき、小池の手を振り払ってしまったのだろう…。


なんで松野が出てきたんだろう…。


そんなとき、杏ちゃんから電話がかかってきた。


「もしもし」


『あ、もしもし。俺、松野だよ』


なぜこのタイミングで…


『なぁ…すっげぇ深刻な悩みなんだけど…聞いてくれるか…』


な、なんだろう…。


私は、唾をごくっと飲んだ。


「ど、どうぞ…」











『……目玉焼きにかけるのはソースだよな?』


…………………。


「私は醤油」


『なにー!?お前もかよ?杏奈も醤油だって言うんだよ』


「ソースはあり得ない」


「あり得るし」


「あり得ない」


「あり得る」

「あり…」


「……」


……………………………


そんなこんなで、松野とくだらない話をして一時間。