「見て根元~。輪投げで賞品とったぁ」


「わ、スゴい!!輪投げ上手なんだー」


「お兄ちゃん?それ、私が貸したお金だよ。その景品のウサちゃんのぬいぐるみチョーダイ」


「え?……はい」


普通に杏ちゃんに景品を渡す。


杏ちゃんは、とても可愛い満面の笑み。


松野はそれを見て、安心したように微笑む。


「カズー、あっちで射的やろー」


「俺、射的得意だぜー」


二人は射的屋さんに向かった。


「あ、お兄ちゃん。カズ様ぁ。待って下さい」


………聞いた?


カズ様、って言ったよ?


そうなの…そうなのよ…杏ちゃんは小池を好きなのよ。