「これ……やるっ」
そう言って出したのは、飴玉だった。
「え、なんで?あ、ありがと」
すると羊さんは頭をポリポリと掻きながら
「……いつものお礼?」
と言った。
「なんで最後疑問文なんだよ~」
今日は、羊さんの新たな一面を見てしまった。
意外と照れ屋さんで…
不器用だけど、優しい。
それだから…憎くても憎めないんだよ。
でも、自分は憎める。
こんな松野に不覚にもドキッとしてしまった自分が憎い。
私たちは、ご主人様とめしつかい。
羊とめしつかい…。
どうやったって、松野から見たウチとの繋がりはこれしかない。
こんな二人は、絶対に結ばれない……。
絶対…に……。