お風呂からあがると、携帯に着信履歴があるのに気づいて、私は慌てて駆け寄った。
「あ…」
相手は
斗真君だ。
嫌な予感がする。
でも…
私は震える手で発信ボタンを押した。
『もしもし!』
「あ…と、斗真君?」
『あ、うん!』
もっと怒ったような声かなって思っていたから、少し安心した。
「ごめんね、お風呂入ってて…」
『俺こそごめん!その、気になって…』
「…あ…そうだよね、あのね、大丈夫だったよ。拓ちゃん。熱も下がったみたいだし。」
『そっか、よかったな。』
「…あの…ごめんね。クリスマスできなくて。約束したのに…」
マンションに戻るときの、斗真君の顔が浮かんだ。
「…プレゼント、用意してたの。渡せなかった。ごめんね…」
『…未来のせいじゃないよ。』
「でも…」
斗真君は優しく言ってくれたけど、やっぱり私のせいだ。
『だから、そのこと話そうと思って電話したんだ』
「え?」
『今から学校近くの公園まで出てこれる?急がなくていいから。…クリスマス、やり直そうか』
「…う、うん!いく!やり直したい!急いでいく!」
斗真君は、急がなくていいから。って笑って電話を切った。
私は急いで着替えて、机に置いてある斗真君へのプレゼントを鞄へしまった。
「お母さん!ちょっと出てくる!」
「え?出てくるって…ちょっと未来ー?」
お母さんの返事を最後まで聞かずにマンションを飛び出した。