一通り掃除機をかけ終えて、私は自分の部屋へ向かった。



「うーん。何着ていこう」



昨日からずっと悩んでいて決まらない。


「よしっ!この間買ったワンピースにしよう!」


私はクローゼットから買ったばかりのワンピースを取り出してシワがつかないようにベッドに置いた。


髪を巻くためにコテも用意して…


「汚しちゃ嫌だからあとで着替えよう。よしっ。準備おけー」



私は腰に手を当ててふーっと息を吐いた。


「時間余っちゃったな。暇だ。…あ」



せっかくだからまだお母さん何かしてるみたいだし手伝うか。



「おかあーさーん」


私はお母さんを探してキッチンに来た。


「ああ、未来。いいとこに来た。そこにあるプレゼント、お隣に持っていってくれない?」


「え…隣?」


「うんー。今日クリスマスだから拓海君と祐介君に用意したのよ。でもお母さんまだやらなきゃいけないことたくさんあるから、未来、渡してきてくれる?」


「……あ、あー、わ、私も忙しいからなー」


「はいはい、嘘つかないの。ね、お願いよ。」


お母さんはそう言うとパタパタとスリッパの音をたてて洗濯物を干しに行ってしまった。



「むー。困ったなー。」


届けるのは別にいいんだけど…


「……」


拓ちゃんに、会いたくない。


「おばさんにてきとーにパッと渡して来ちゃおう!」

私はサッとプレゼント二つを持って隣へ向かった。