得意げにニヤッと笑った梢は私から香水とマフラー、手袋をとって元の位置に戻した。
「多分…石川先輩と何かあったね」
「え?拓ちゃんと?」
つい反応してしまった。
それは拓ちゃんを気にしてるからじゃなくて、あんなに二人は仲が良かったからだ。
「ありえないよ。学祭だって、拓ちゃんの服を河野さんが着てたし、球技大会の練習のときだって河野さん来たし。あと…ほら、たしか梢もいたよね。拓ちゃんのサッカーの試合のとき。二人はキスしてた」
言っててちょっとだけ胸が痛くなった。
ズキンズキンって、胸の真ん中が本当に痛くなるの。
だから、まだまだ色々あるけど私はそこまで言って口をつぐんだ。
「うん。でもね未来。よく考えてみてよ。全部、河野さんが一方適にしたことじゃない?」
「え…」
「まず、サッカーの試合。石川先輩は自分からキスしたりするような性格じゃないよ」
「…あー……」
なるほど。
たしかに。


