『なんか違う』ーー
「き…未来」
「へ?」
「聞いてた?」
ぼーっとしていた私に斗真君は笑って言った。
「ごめん!ちょっと…聞いてなかった…」
私は眉を下げて斗真君を見た。
「あはは!やっぱり…なぁ未来…」
「?」
斗真君が私の耳元に顔を近付けた。
「っ…」
「渡辺が言ったこと、気にしてる?」
「……え…」
びっくりした。
梢が体育の時間に叫んだ理由、分かってたんだ。
「石川先輩のことだろ?」
「…うん」
「気にすんなよ」
「うん」
斗真君はぽんぽんと優しく頭に触れた。
「あと…クリスマス…」
「あ…ごめん…聞いてなくて…」
「うん。だから…クリスマス、俺んちこない?」
「………………え?」
私は一瞬固まってから斗真君の顔を見てニコッと笑った。
「クリスマス、親いないんだ」
斗真君は少し顔を赤くして真剣な目で私を見つめた。


