「おつかれ」



制服に着替えて、教室に戻った私に斗真君が微笑んだ。




「あれ?みんなは?」



「さっきメールきて、“二人にしてあげる”だって。変な奴らだよな」



斗真君はククッと笑うと、机の上に腰掛けて窓の外を見た。




「…なぁ、未来」



「ん?」



「もう来月は12月だな」



「そうだね!雪とか降るのかな。あ、でもそろそろ入試も本格的になってくるし…」



「あのさ!」



「へ?」



一人でぶつぶつ呟いていたら、斗真君が微笑みながら言った。



「クリスマス…遊ぼ?」



「クリスマス…」



「うん。何にも予定なければだけど」



「ないよ!ない!うん!クリスマス…遊ぼう!」



私は斗真君にニッと笑顔を向けた。