本の姫君と童話の王子様。


ジュッ

何かが焼ける短い音で僕はハッとした。

父さんが薪の先端を右腕で掴んでいた。

力が自然と抜ける。

薪から手が離れ、僕はもう1度へたりと座り込んだ。


僕は大変なことをしてしまった。

「ご、ごめん…なさい……ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」

頭を抱えてひたすら謝り続ける。