あれから一ヵ月後。

3人は夏休みの真っ最中。

「あ、やっと来た」

「早くー」

待ち合わせ時間に少し遅れた旬。

「ごめんごめん」

苦笑いをして謝る。

「俺と夏希は5分前に来たんだぞ」

「だからごめんって言ってんだろ。小野からも何とか行ってくれよ」

「遅れてくる旬が悪いんじゃん」

「勇の見方かよ・・・ちぇっ」

旬は両手をズボンのポケットに突っ込む。

「それより早く行くぞ?暗くなると道わかんないから」

「花屋寄ってから行こうよ」

旬は2人の後ろを追いかける。

今から向かう場所は勿論、大山病院。

漸く着いた時には空は綺麗な紫色に染まっていた。

「じゃぁ夏希が代表して花束置いてきて」

勇が3人でお金を出し合った大きな花束を夏希に渡す。

夏希は花束を病院の入り口前にそっと置いた。