夏希は泣いていた。

「そんな・・・貴方は殺された」

『そう、殺されたの』

目の前には首を切られ、真っ白なワンピースが茶色に変色したワンピースに変わった尚子が立っていた。

尚子や奈々がここにいる理由。

成仏できないでさまよっていたから。

『今からお前らを呪い殺してやる。そしてここに残るのだ』

「呪うなら貴方を殺した男を呪いなさいよ!!」

いつしか金縛りは解け、普通に喋れるようになった。

夏希の後ろで勇と旬は変わり果てた少女の姿に腰を抜かして動けないでいた。

『あの男は自殺した。私を殺したあと、男は屋上から飛び降りたの。私はそれを横で見てた。・・・最初は男を怨んだ。でもいつしかその怨みを生きている人間に向けた。あの日私を助けてくれなかったアイツらが許せない。・・・だから生きているお前達はアイツらと一緒』