ゆっくりと歩いてくる少女。

よく見ると左足を引きずっている。

『もう逃がさない・・・・・・』

少女の顔からは怨み憎しみが滲み出ている。

『殺してあげる・・・死ね・・・死ね・・・死ね』

目を見開き、首を持ち上げてはガクンと力が抜ける。

それを繰り返しながら歩み寄る。

その姿はまるで首の据わっていない赤子のようだ。

「な、んで・・・こんな・・・コト・・・するの・・・?」

夏希の目は潤んでいる。

『教えてあげる』

少女は不敵に笑う。

その時漸く首の動きが止まった。

少女が手を伸ばし、夏希の額から夏希の脳内に侵入する。

「いやああぁぁあぁぁー!!」

夏希は白目を向き、気を失った。




夏希は闇の世界で目を覚ました。

「ココは・・・・・・うっ」

夏希が辺りを見回すと目の前が眩しく光った。

そこには夏希の知らない“記憶”があった。