その音は旬の背中、カウンターの外側でピタリと止まったのだ。

旬は目を瞑り、両手で顔を覆った。

ドクンドクン...ドクン...

肝試しなんか来るんじゃなかったと、今さら後悔しての遅い。

死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない・・・

助けて......誰か助けて・・・

キーキュルキュル...キュル...キュル...

動きだした!!

看護婦の霊は旬を探しに別の場所に行ったのだ。

旬は顔を覆っていた指を開き、ゆっくりと目を開く。

......大丈夫。

前方には何も居ない。

旬は両手を離し、しゃがんだ状態で後ろを向く。

いきなり立ち上がる事に恐怖を感じ、カウンター越しに覗く事にしたのだ。

カウンターの上に手を掛け、ゆっくりと顔を上げる。

「うわああぁぁあぁー!!」

旬の悲鳴が響き渡る。