「由衣ー。一緒に帰ろう」 ショートボブの髪型をした女の子が私に声をかけてきた。 彼女の名前は犬飼 菜美(イヌカイ ナミ)。 高校に入って初めて出来た友達だ。 「うん。ちょっと待って。今用意するから」 私はそう菜美に言うと帰る準備をするために机の中にある教科書を学生かばんに詰め込んだ。 その間に菜美は私の席に近づいていて私をマジマジと見つめた。 「なっなに?」 菜美の視線が怖くて少しひきながらも尋ねた。