私の声が聞き取れなかったのか今度は佐倉君が聞き返す。
聞き返されて私はさっきよりか大きな声で言う。


きっとこれが解決しないと私は佐倉君とはつき合えないって思った。



すると、佐倉君はさっきよりもムッとした顔をするとブランコから降りて私の目の前へとやってくる。


「由衣子は俺が二股かけるような男に見えるの?」


「いや。違うけど…
市川さんとは好きだから付き合ってたじゃないの? その為のプレゼント選びもしたし、幸せそうなプリも見たから本当のこと言うと私はフラれるのを覚悟で告白したからさ」


しどろもどろになりながらもそう伝える。
すると、前からハァと明らかに落胆したような溜め息をつく佐倉君がいた。



「本当に最上はバカ? なんの為に斉藤君に説教されたと思ってるの。
確かに最上に会う前は市川の事は好きだったけど、お前と久々に会って話してる間にお前のが気になってたんだっての」


まさかそんなことを言われるとは思わなくてつい目からポロッと涙が零れる。


好きって言われたけど、告白したら答えてくれたと思っていたから。


「何? 俺の告白はそんなに信憑性がないわけ?」


「違う。違うよ。好きって言われて嬉しかった」


更に涙が流れて止まりそうもなくて佐倉君は呆れた顔をしていたけど

その顔は涙で歪んでいて佐倉君がどんどんと近づいてるのも気づけなくて

私は佐倉君に抱き締められていた。