隣に佐倉君がいることを感じながら思う。


好きな人がいるのに告白を受けていいのかって。きっと受け入れてしまうと斉藤君を傷つけるんじゃないかって。



「最上も悩み事? なんだったら聞くけど?」


私との会話で気づいたように佐倉君は私を気遣ってそう言ってくれた。


「私もね。今日、告白された。物凄く真剣に言ってくれてね、この人ならって思った。
だけど、私好きな人がいるんだ」


この話を佐倉君に話してどうなるかはわからないけど佐倉君がどういう反応をするかが気になった。



「好きな人がいるならその人にぶち当たればいいと思う」


さも同然という風に佐倉君は言った。


佐倉君は私のことをどうとも思ってないことがわかって悲しみがこみ上げてくる。



「気持ちを伝えないとわからないこともあるよね。
私はね。佐倉君のことが好きなんだ」



なんで、そう言ったのかわからないけど確かにそう佐倉君に伝えていた。


私は自分で何を言ったのかに気づいてブランコから降りて校門へと向かう。
佐倉君から逃げるかのように。