「本当に先輩は……見た人の心に残って、魅了して止まない花火のような人だ」


 そう言って、先生とあたしを壊した、あのフッとした笑みを浮かべた。





 そうか――。




「あたしも、あの時、永井くんという花火を見たんだ」




 愛していた先生とキスをしていたはずの、あたしの心を掴んだんだから。