「花火は心に残ります」 永井くんが握った手に力を込めた。 でも、先生の中からは消えてしまったんだよ? あぁ、そうか――。 あたしは花火にもなれないか。 自嘲気味に溜め息を吐くと、永井くんが隣でボソッと呟いた。 「先輩は、本当に花火、ですね」 口に出してないのに。 あたしはビックリして永井くんの顔を見つめた。