あたし、花火。[短編49P][企画]


 永井くんは花火を見上げながら、あたしの手を握ってきた。



「ねぇ、花火は一瞬の命とか言うけど、花火は幸せなのかな?」


 あたしの言葉に、永井くんがこちらを見たのが分かる。


 でもあたしはそっちを見ないで、空を見上げ続けた。





 打ち上げられては消える、花火を見つめる。