永井くんは花火を見上げながら、あたしの手を握ってきた。 「ねぇ、花火は一瞬の命とか言うけど、花火は幸せなのかな?」 あたしの言葉に、永井くんがこちらを見たのが分かる。 でもあたしはそっちを見ないで、空を見上げ続けた。 打ち上げられては消える、花火を見つめる。