------- 花火大会の日。 あたしたちは待ち合わせをして、一緒に川辺に向かった。 そんなに大きな花火大会じゃないのに、毎年結構人が集まる。 「あ、はじまった」 浴衣のあたしに歩調を合わせ、ゆっくり歩いていたせいか、土手に着く前に花火が上がり始めた。 「ここからでも結構見えますね」 上を見ながら歩く永井くんが優しく言う。 あたしも夜空を見上げた。