今更ですけど、と、永井くんがキスを止めてあたしの瞳を見つめてきた。 あたしはまた、心臓が痛くなる。 「付き合わなくても、花火は見に行けると思いますけど」 永井くんは至極当然の質問を口にする。今まで聞かれなかったのが不思議なくらい。 「そうだね」 あたしは答えを言わず、微笑んだ。