あたし、花火。[短編49P][企画]


 それから数回、放課後の生徒会室で永井くんとキスをしたり、寄り添うだけの日を送った。

 特に会話らしいものはない。



 だけど、不思議とあたしは永井くんをよく知っている気になっていった。


 きっと永井くんもそう感じてると思う。



 先生のことは、いつもいつも、何を考えているのか必死に読み取ろうとしてたのに。


 永井くんのことを、好きじゃないから分かるのかも知れない。



 きっとそう――。