あたし、花火。[短編49P][企画]

「……」


 別に、永井くんがそのつもりなら、それでいい。好都合だ。


 見つめ合ったままでいると、永井くんの綺麗な顔がまた近付いてきた。

 あたしはそのキスに応じながら思う。



 やっぱり、先生以外とのキスなんて、何でもない。



 ちっとも、嫌じゃないもの。



 少し、心臓がズキン、と痛むだけ。傷ついてるわけじゃないのに、変なの……。