人が来る気配がすると、永井くんはあたしの手を取って生徒会室に入った。 中には誰もいない。 「なぜ、花火大会に行きたいんですか?」 外からバレないためにか、床に座って永井くんは胡坐(あぐら)をかいた。 あたしは永井くんのすぐ目の前で体育座りをする。 永井くんの足と、あたしの足が当たるくらいの距離。 「あたし、花火だから」