あたし、花火。[短編49P][企画]


 人が来る気配がすると、永井くんはあたしの手を取って生徒会室に入った。


 中には誰もいない。



「なぜ、花火大会に行きたいんですか?」

 外からバレないためにか、床に座って永井くんは胡坐(あぐら)をかいた。



 あたしは永井くんのすぐ目の前で体育座りをする。

 永井くんの足と、あたしの足が当たるくらいの距離。



「あたし、花火だから」