「ちょ、オレ、ションベンしていくわ」

そう友達に告げ、男子トイレに入る。
そして、友達が通り過ぎたのを確認すると、オレは男子トイレを出る。

そこには、普段バカなことばっかり言っている、ちょっとシャイな中学三年生の少年の姿は無く、ただ、一人のスパイがいた。

そのスパイは、周りの気配を伺いながら、ゆっくりと隣のドアに移動すると、そのピンク色をしたドアを、ゆっくりと押す。