青春スパイ大作戦【短編集】

正体は、誰にも知られてはいけない。


スパイの掟を無視し、自分の能力を鼻にかけ、周りに力を見せびらかしては、得意になってた俺。

俺の周りに群がって来ていたのは、オレと仲良くなりたいからじゃない。

ただ、俺の持ってるエロ本が読みたかったから。

その事実に、オレはようやく気付いたのだった。


ハハハ、スパイの俺が、裏切られ、陥れられるなんて、全くいいザマだぜ。

そうか。所詮、友情なんてこんなものか。
でも、オレは、お前らのお陰で大事なことを学んだよ。

これからは、オレはエロ本なんかに頼らず、本当に心の友と呼べる人間を見つけてみせる!

今に見てろよ、こんちくしょー!
裏ビデオ貸してやろうと思ったけど、貸してやらないんだからーっ!


そう、心に誓ったオレ。

しかし、状況はさらに悪い方向に。