青春スパイ大作戦【短編集】


正確に家の場所を知らなかったので、近くの交差点で本田さんに連絡する。

しばらくすると、こちらに向かう人影があり、それが本田さんだった。

服飾関係は土日が稼ぎ時なので、今日も仕事だったらしく、少し疲れたようだったが、今日も格好はバッチリ決まって、綺麗だった。あぁ、オレのマイクを・・・。

車の外で、DVDを渡して、しばらく立ち話をする。

オレは、すぐに帰るつもりだったが、本田さんには珍しく、話を続けたがっているように感じた。

「ちょっとドライブでもすっか?」

明日も仕事だし、断られると思ったが、意に反して、「うん。ちょっとだけなら」