青春スパイ大作戦【短編集】


「調子はどうよ?」

「あ、お疲れ様~」

受付は、女子ハンド部の花園さんと、マネージャーの本田さんが担当していた。

二人共、ハンド部では綺麗どころである。

高校時代、オレが告白して、見事撃沈した本田さんは、服飾店に就職し、順調に美しさに磨きがかかっていた。

さすがに、高校時代の失恋なんか忘れ去って今では普通の友達。

「ビデオ凄い感動した~!」

二人共、俺が作成したDVDのデキを褒めてくれた。
確かにあれは、かなりの時間を使ったからな。

「お前らん時も作ってやろうか?」

「えー!ほんまにー!」

「じゃ、一人5万円な」

「お金取んのー?!」「ひどーい」

「あ、それより、にしくん、あのビデオ余ってたら私も欲しいねんけど・・・」

本田さんがモジモジしながら頼んでくる。やばい、可愛い。オレのマイクを擦り付けたいっ!

「んー、確かに余分に用意したから丁度二枚余ってるなー」

「えー!まじでー!じゃ、私もちょーだい!」

「じゃ、5万円な」

「なんでよー!」

「ウソウソ、じゃ、渡すか送るわするわ」

「やったー!ありがとう!」

そんな会話を交わして、オレは受付を後にする。