オレは、神戸に帰郷していた。

親友の結婚式に出るためだ。

新郎新婦は共にハンドボール部で、二人とも親友。

学生時代から計算して10年目の結婚。
これ以上めでたいことはない。

しかも、この二人は、途中別々の道を歩んだ挙句、最後には無事結婚した。

間近で二人の状況を見ていたオレは、すっかり父親の心持ちで、一番最初に泣いちゃうんじゃないかって、勢いで二人の結婚を喜んだ。



高校を卒業してから既に8年。

26歳のオレは、未だに前の彼女を少しだけ引きずっていた。
この二人のように、一度別れても再び一緒になる例を目前に見せられ、
もしかしたら、オレにも。

そんなことを、少しだけ考えたりすることもあった。