『心にぽっかりと穴が開いたようだ』 そんな、使い古された表現が、本当にあるんだとオレは知った。 そして、1ヶ月が過ぎ、2ヶ月が過ぎ。 仕事が忙しいことも幸いし、オレは何とか日常を取り戻していった。 ちょうど、高校時代の友達のヨッシーも東京で就職していた。 さらに、ヨッシーも同じタイミングで彼女と別れており、俺たちは、男二人で戸塚駅近くのカラオケボックスでワインをラッパ飲みして、岡本真夜の『tomorrow』を唄って涙を流したりした。 そんなある日のこと。