青春スパイ大作戦【短編集】


ステージ上では、ストリッパーが交代し、薄いシルクのワンピースに身を包んだブロンドの女が登場した。

オレとクロスケは、メインステージの最前列に座り込む。

一つ席を空けて座ったのは、お互いを意識せず、集中するためだ。


ここからは個人の戦い。

いくら、同じ国、同じ釜の飯を食った友でも、ここからは敵同士よ!


周りでは、数人の外人達が、指笛を鳴らしてストリッパーを煽る。

オレは、あくまで「あぁ、もうストリップなんて、見飽きちゃったぜ」という慣れた感じで、膝を突き、手で顎を支えながらニヤニヤしてたが、脇の下は汗でびっしょりだった。


ブロンド女は、笑顔を振りまくと、ステージ中央のポールをうまく使い、踊っていく。
ポールに足をからめ、身体を支えた状態で、上半身を思いっきりそらせたり、物凄い勢いで回ったり、ストリップの前に、ダンスがすげえ。
伊達に、金取ってないぜ。と思わせるダンスにちょっと感動する。

まぁ、オレはそんなのどうでもいーんだけどな!