「あれ?あれ?」

トシ夫は、変な声を上げ続ける。

幸せな妄想を邪魔されたオレは、機嫌が悪そうに「何やねん」

「え、いや。今、なんか白いのが通らんかった?」

「は?」

言われて、再び中を覗くがそんな物は見えてない。他の奴らにも見えてない。

「なんやろな~。風で何か舞ってたんかなぁ」

トシ夫は、そう言いながら首を捻った。しかし、窓が完全に閉められた教室の中で風など吹くわけが無い。自分でそのことに気付いたのか、トシ夫は、「もしかして・・・お化け?」
またもや、バカなことを言い出した。

「そんなわけないやろー!」

そう一蹴したのだが、さっきまでは、キャピキャピしたお嬢様が戯れてる様子しか想像できなかったのに、そういうことを言われた後に、再び覗いてみると、真っ暗で誰もいない教室は、恐怖の対象としてしか見えなくなってきた。

挙句、「あれ?今なんか聞こえんかった?」

人に流されやすいのK太が、ピアノの音を聞いたと言い出す始末。

そして、オレ達は完全に恐怖に取り付かれてしまった。

「ウワッ!逃げろー!」
「えっー!」
「うわっ、待てやー!」
「オレ、ケツ痛いからうまく走られへんってー!」

オレ達は、そのまま一目散に女子高を逃げ去った。


女達の花園をオレ達の立ちションで汚してやるつもりが、女達の花園で恐怖のあまり、オシッコチビッちゃうとこだったチキンなオレ達なのであった。


   【今回のミッション】
    深夜の学校では怖いこと考えちゃダメ