「拓哉、最近キャバ嬢にはまってるらしいな、どんな風の吹き回しだ?このプレイボーイが。」
なじみのB-BOYたちも俺のうわさで持ちきりだった。
「やめとけキャバ嬢なんて、お前が抱ける女はいくらでもいるはずだろ。」
これが対外の俺への慰めの言葉だった。

「華月さんです。」
ボーイのエスコートで彼女が俺の隣に付いた。
「来てくれてありがとう。」
柄にもなくその言葉がダイレクトに嬉しい。

女の口説き方が解らないなんて。
プレイボーイもお慰みだ。
〝お前が欲しい〟その言葉さえいえたなら・・・。

シャンデリアの輝きもミラーボールの輝きも彼女の輝きに勝てるものはこの世界に一つも存在しなかった。

今までの女たちもブースの中にいる時の俺しか見ていないのだろう。

ブースの外に一歩出れば、俺はただの野暮な男でしかない。