「おっさんは失礼じゃない?」
と、俺は言った。
だって今俺は女装をしていて。
声変わりをして居ない俺は、今は完璧な女。
「何言ってんの?俺より年上の男はおっさんじゃん。」
「男?私は女「くどい。俺にごまかしは効かねぇから。」
「…。」
どうして?俺が男だって分かるんだよ。
さっきまで笑っていた綺麗な顔が嘘のように、凍りついたような顔で俺を見てくる。
「わりぃな。せっかく誤魔化してたみたいだけど。」
「いや、別にいい。」
そう答えながらも、頭に浮かんでくるのはこの男に対する疑問。
「俺、志音つーの。よろしく。」
と張り付いた笑みを浮かべた志音。
「はぁ。俺は璃人。」
「ふーん、璃人ね。」
「…ああ。」

