=キング of ビースト=3


○璃人視点になります○



「ねぇ。」


「…。」


「…おい、おっさん。」


「…。」


返事してあげればいいのに。


そう思いながらも手にある本に視線をはしらせる。


「あんただってーの。」


と言う声が聞こえたと思ったら、肩をポンっと叩かれた。


俺だったのかよ、と思いながら本から視線を外し声のする方に目を向けた。


「ねぇ、おっさん。」


すると、そこにいたのは綺麗過ぎる顔をする男だった。


だけど、気になるのは容姿よりもーーー


「おっさん?」


呼びかけられた言葉だった。


「ああ、おっさん。」


と言った男は、口角をクイッとあげて笑っていた。