○璃人視点になります○
「ねぇ。」
「…。」
「…おい、おっさん。」
「…。」
返事してあげればいいのに。
そう思いながらも手にある本に視線をはしらせる。
「あんただってーの。」
と言う声が聞こえたと思ったら、肩をポンっと叩かれた。
俺だったのかよ、と思いながら本から視線を外し声のする方に目を向けた。
「ねぇ、おっさん。」
すると、そこにいたのは綺麗過ぎる顔をする男だった。
だけど、気になるのは容姿よりもーーー
「おっさん?」
呼びかけられた言葉だった。
「ああ、おっさん。」
と言った男は、口角をクイッとあげて笑っていた。

