自分勝手で最低な奴かも知れない。
けど、お兄ちゃんの何かを知る度に自分の不甲斐なさが身にしみるんだ…。
聞きたいけど、聞けないー…
お兄ちゃんが隠してきた事を、勝手に探っていいのか、と言う思いもある。
だから、
「聞きたい事は、沢山ありますー…。ないはずがない…っ
聞いたとしても、その事実を受け止めきれる自信もないんです。
私なんかが聞いて、お兄ちゃんの過去を知っていいんでしょうかー…?」
璃人さんに判断して欲しい…。
弱い私は自分で決める事が出来ないからー…
誰かに縋らせて欲しいんだ…。
「由莉ちゃんは知る権利があるんじゃない?だからーー」
と言って言葉を切った璃人さんは、ソファーを立ちデスクに向かうと引き出しを開けて何かを取り出し再び元居た場所に座って
「これを預かったのーー…。」
と言った。その手にはシンプルの真っ白の封筒があった。

