「俺んち父親居ないんだよ。」 俯く弘樹に、初めて聞かされる事実。 「…癌だったらしい。俺が産まれるちょっと前に死んだんだ。 俺が小さい頃わ、母親に大事にされてた。 だけど大きくなるにつれ、つめたく、突き放された。」 弘樹わふっと自傷的に笑った。 「父親に似てきて気持ち悪いだってよー…」 「~っ!?」 「そう言われたのが小6の時だった… それからだよ。 虐待が始まったの。」 皮肉をいう弘樹からわ想像の出来ない表情だった。