「私は別に先輩に過ちを償って欲しいとか思ってないし、私を突き落とした事実にこれから先、苦しんで欲しくないから。過ちを償うくらいなら――…



…―前に進んで下さい、過去に縛られずに。この過去を強みに生きて下さい。」


「…。」


「‘私は昔、他人を傷つけてしまうくらい好きな人がいた’と胸張って言えるくらいになって下さい。」


「~~~っ、ありがとう。本当にありがとう―…。」


そう言って泣く女は、これから先、ただ真っ直ぐに生きていく事になる。

――…今日あった出来事を強みにして。