ちょっと待って、と言った由莉の視線の先にはガタガタと震え未だに泣いている女がいて。 「…。」 由莉の視線の先に女がいることに夜琉は怪訝な顔をした。 夜琉の腕からスルリと抜き出た由莉は 「ねぇ、先輩。」 女に話しかけた。それを倉庫にいる全員が息を飲んで見つめる。緊迫した空気がながれるなか、 「……―ぇ?」 由莉はその女を包み込むように優しく、でも力強く抱き締めた。 「先輩――… 辛かったでしょう?」 泣きそうな声で尋ねた由莉はさらに力強く抱き締める。