つまらなそうな声を出した紅雨にハッとなった由莉は、勢いよく夜琉から離れた。 「なんだろう、この光景二度目だよねー。」 そう言って笑う紅雨は星龍の時を思い出していて、 「あの時も今とほとんど変わらない状況だったな。」 それに弘樹も同調した。 由莉を肩に抱く夜琉は、 「…大丈夫か?」 脳震盪の後遺症を心配していた。 「実は結構頭痛くて気持ち悪い。」 由莉の容態を気遣った夜琉はすぐに、倉庫の二階に戻ろうとしたが、 「ちょっと待って。」 由莉に止められた。