タバコを地面に落とし、有名なメーカーのショートブーツで火を揉み消し、女を見据える。


『バァァァアン!!!!!!!!』


……―女のすぐ横にあったドラム缶は物凄い音をたてて凹んだ。


辺りを包むのは冷たい空気。


何十人もの人がいるにも関わらず物音しない辺りに、冷淡でハスキーな声が低く地を這った。




「……――――関東から出ていけ。



次お前の汚い顔見たときは…




……………―ないと思っとけ。俺達は甘くねぇ、女でも容赦しない。


二度と俺の前に顔だすんじゃねぇぞ。」




威圧的な空気に冷たい眼差し―――……


空間を支配したような圧倒的な存在感――……


ここにいるのが紛れもない狼那連合同盟総トップ那龍総長で、優しさを忘れた冷酷な夜琉だった―…。