タバコを片手に無表情で立つ夜琉に璃玖は目を伏せた。

璃玖にとって夜琉と由莉は大切で。由莉はケガをして、夜琉はきっと自分のせいだと自分を責める。


事の発端は自分なのに…。


二人を傷つけてしまった、という思いが強く己にのし掛かり、後ろめたくなり視線を合わせる事ができないでいた。


「璃玖。」


小さく夜琉が名前を呼ぶと、目を伏せたまま


「夜琉の事がすきで、嫉妬して突き落としたらしい。夜琉と由莉ちゃんが一緒にいるところを見て、自分が二人を見て苦しんだように、由莉ちゃんも苦しめばいいと思ったらしい…。」


と呟いた。それを聞いた夜琉はタバコの煙を口からはくと同時に言葉を吐き捨てた。


「気持ちわりぃ。誰だよてめぇ。」


酷く冷たい声で。あまりにも冷淡な声に女は震えがった。