「自分の身体だから、ある程度の事は分かりました。そうなってしまったのは、気にしてません。」


「…。」


「…ーー誰のせいでもないんです。私を突き落とした人でも、私を守ると言っていた人でも、あのとき私の側にいた千佳でもない。」


「…。」


「ただ、打ち方が悪かっただけ。


それだけなんだと思います。」

本当に強い方ーーー…。


取り乱す訳でもなく、誰かのせいにする訳でもなく、ただ純粋に事実を受け入れているんだ


「だから、夜琉も気にしないで?」


「…。」


「どうしても気になるなら、さっき言ったでしょう?



……ー傷モノにした責任とって、一生離さないでって。」


「…。」


「…ーーそれで許してあげる。」


ニコッと笑った由莉さんに夜琉はただ由莉さんの手を優しく包み


「…ああ。」


と答えた。


「俺は先に帰らせて貰うが、夜琉はどうする?」


「……ー行く。倉庫寄れ。」


「じゃあ、由莉さん明日。」


「さよなら。」


先に病室を出て、横の壁に背を預け夜琉が出てくるのを待つ。

しばらくして出てきた夜琉の斜め後ろを歩いて病院を出た。



さぁ、明日ーーー……




………………事のけりはつく。