「もう、今日の由莉さんの事は組に連絡いってんだろ?」
『…―はい先程入ってきましたが。』
「組長はなんつってた?」
『まだ動くな、と。』
「そうか。狼那連合の奴らが3日たっても犯人を見つけられなかったとき――……」
そう俺が言葉をつめた時、俺と電話の相手には異様な雰囲気が流れたが
「組を動かす。」
そう俺は言った。
『…3日ですか?』
「ああ。」
『それは若頭として、ですよね。』
「…―ああ。」
『若は本当にそれでいいんですか?』
「…―お前が口出す事じゃない。」
『…でしゃばり過ぎました。頭に伝えておきます。』
それを最後に電話を切った。
暑さの残るぬるい風に当たりながら手のひらにを額にあてアスファルトを見つめ、
…―再び院内に入り夜琉を追った。

