「只今第三病棟の検査室で脳の検査を受けており、まだ病室には戻っておりません。どうなさいますか?」
機械的に言う受付人を殴りたい衝動にかられた。
「…―。」
確かに受付人にとってはこんな事日常茶飯時で仕事だから淡々と言うのだろう。
でも――……………
……受付人の言う言葉は俺に重くのし掛かって、
‘ダンッ’
気づけば思いっきり壁に腕をおしつけていた。
「大丈夫でしょうか?」
すると困惑気味の受付人がびっくりしたように尋ねる。
俺はそれに答えることなく
「病室と検査室の場所を。」
と酷く冷たく言い捨てた。
「521号室で検査室は南の棟3階にあります。」
怯えた感じの口調になっていたが、
「夜琉南の棟だとよ。」
それを完全に無視して夜琉と南の棟に向かう。

