何故、この二人には試練ばかりが待ち受けているのだろうーーーー…?







やっと志音の事が落ち着いて来てたのに…



…また二人には越えなければならない壁が出来た。



もう見たくなかったのに、夜琉のあんな冷たい瞳はーー…


もう見たくなかったのに、由莉さんが傷つくところは―…




夜琉を乗せた車は総合病院に向かって、静かに動く。


その間、俺と夜琉には会話はなかった。


ただ、大人しすぎる夜琉に違和感を感じてならない。
志音の時はあんなに荒れてしまったのに。


夜琉が大人し過ぎて怖いと思い


『夜琉―…辛いのは分かる。だがトップのお前が揺らいでどうする?今のお前は倉庫に行くな。


今お前はできる限り由莉さんの側にいろ―…。』


と気づけばそう言っていた。


だって、由莉さんの側にいたら夜琉は安心だから。

夜琉がまた荒れて倉庫で暴れるより病院で大人しく由莉さんを見守って貰いたい。


本当はこんな時に総長がいないというのはよくないのだが。


何となく今夜琉を倉庫に入れさせたらいけないような気がする。