その言葉に目を丸くさせられた俺は


「南月も那妃に惚れた………?」


と無意識に呟いていた。

俺のその言葉に今度は南月が目を丸くして言った。


「惚れたんとちゃいますわ。那妃は狼那連合同盟を照らす唯一の光―…………。

だから、許せん。…那妃を傷つける奴は。好きとかそんな軽い気持ちはない。

わいの命より大事なん。わいの全ては狼那連合やから…。」

といつもの口調に戻った南月は

「それより、南月も?って事は夜琉さん意外も姫さんにやられた奴らがおるんかいな?」


と聞いてきて


「何人もいるよ………。」


と俺は小さく息を吐いた。


「流石やわ。」


と小さく笑みをこぼした南月を見て俺も笑った。


そこで


「出せ。」


と言った南月の言葉にゆっくりと車が動き出す。



こうして俺たちは亮に見送られながら、目的を果たして華月を後にした。