「だから―…南月。今から俺と華月行ってくれる?」
「なんでまたそうなったんかいな?」
「那龍の副と一番手の傘下、狼羽の総長が直々に華月を訪れた方が、犯人が犯したことの重大さが分かるだろう?」
徹底的に叩きのめしてやる―…
由莉ちゃんにそんな事をするやつが二度と現れないようにするためにも。
見せしめとなってもらう―…
……―那妃の存在価値の大きさを、知らしめてやらないと。
女でも容赦しないんだよ、俺たちは。
「とりあえず、夜琉に一応断りはいれとくべきだと思う。」
弘樹がひきつった笑みを見せながら俺に言った。
「うん、勿論入れとくけど。」
そう笑って答えるとまたひきつった笑みで
「俺、璃玖だけは敵に回したくないわ。…―本当に容赦ないよな。」
と呟いた。
「ん?そう?結構これでも押さえてるんだけどね。」
俺は短くそう答えて夜琉に電話を入れる。

